2021年9月18日(土)
『矢臼別物語』
特別上映会開催
北の大地北海道、矢臼別で「平和に生きる権利」は譲り渡すことはできないと長年にわたり粘り強く戦っている人々に、独立プロ名画保存会の創設者である山本洋子監督が6年に渡り密着したドキュメンタリーの上映会を開催します。
上映後には監督の舞台挨拶を予定しています。
GALLERY
INFORMATION
日時:2021年9月18日(土)
13:3 0~開演 (13:00~開場)
ゲスト:山本洋子(映画監督) ※上映後、舞台挨拶
会場:サールナートホール 一階大ホール(定員200名)にて各回上映
料金:
前売券
一般前売 1,400円
シネ・ギャラリー会員前売 1,200円
前売券取扱場所:
・静岡シネ・ギャラリー3階窓口(21:00頃まで営業)
当日券
一般当日 1,800円
会員当日 1,400円
当日券取扱場所:
静岡シネ・ギャラリー
当日9:30~整理券への交換が必要となります。
前売券をお持ちの方も、整理券に交換をお願いします。
※定員制、自由席、払い戻し・途中入場不可
※ご来館いただく際は、マスクの着用をお願いします。
※尚、今後の新型コロナウイルス感染症流行の状況によりやむを得ず中止となる可能性がございます。予めご了承ください。
→当館におけるウイルス対策について
会場・問合せ:サールナートホール 静岡市葵区御幸町11-14 TEL:054-250-0283
主催:サールナートホール
共催:『矢臼別物語』 静岡上映実行委員会
ゲスト:山本洋子(映画監督)
《監督よりメッセージ》
矢臼別の平和運動には、さまざまな風が吹いている。ある時は、米海兵隊、自衛隊の訓練へのたゆみない監視から生まれる厳しい抗議の風。ある時は、笑って、泣いて、悩んでみんなが心ひらくやさしい風。ある時はだれもがどんな人も受け入れるたおやかな風。
私が矢臼別に足を運んだのは、1980年代半ば。穂積肇氏によって描かれた版画の力強さ、優しさに目を奪われたが、自衛隊の演習場の中に、普通に人が暮らしているということが驚きだった。なぜ、そんなことができるのか?ぜひ映画にして解き明かしたい。その思いは私の中で小さな種火となった。再び燃えたのは、2014年の『第50回平和盆おどり』。そこから撮影を始めて足かけ6年。どんな場にも、歌があり、踊りがあり、さまざまな文化が交錯し、人と人がつながっているようすは万華鏡のようだった。何より、人々は自由に発想し、行動し、あらゆることを楽しんでいる。
矢臼別に集う人々が紡ぎ出す生き方は、私たちが生きていくうえでのヒントにあふれている。 この風をしっかりと受け止めて、未来へつないでいきたい―――。矢臼別と全国とで、世代をこえて手をつなぎあって――――
『矢臼別物語 北の大地からのメッセージ』
《あらすじ》
「戦争か平和」かの最前線にある厳しい北海道矢臼別演習場をめぐる斗い。しかし、ここで繰り広げられている運動はどれも、優しく、たおやかで、楽しい。人々は、誰とでも心を開いて語り合い、誰をも受け入れる。そして、次の世代の若者たちがこのバトンをしっかり受け継いでいる。その根底に流れるものは―――――北海道道東には広大な酪農地帯が広がっている。その一画に日本最大、17万ヘクタールの広さを持つ陸上自衛隊矢臼別演習場が広がる。1962年、当時、農村、酪農地帯だったこの地を買収して作られたこの演習場の中には、買収を拒否した2人が所有していた民有地があり、59年目の今も人が住み続けている。電気も水道も通り、電話も通じ、手紙も新聞も配達され、全国から大勢の人々が集まってくる。なぜ、こんなことができるのだろうか?映画は、2014年から6年にわたって、ここに住む人、長年にわたって住民と土地を守り続ける人々の姿を、この地で展開される夏の『平和盆おどり』、冬の『平和もちつき望年会』を通して描いている。また、全国からやってくる人々が地元に帰ってどんな活動をしているのか、沖縄連帯の集会、福島復興支援、原発反対の署名などが映し出される。優しさと工夫に満ちたここに集う人たちは未来への希望を胸に明日へむかってゆっくりと歩み続けている。
矢臼別の運動とは? (制作の趣意書より)
矢臼別は北海道、知床・阿寒連峰から根室・釧路まで広がる根釧原野の一角にある酪農地帯。この原野のほぼ中央、別海、厚岸、浜中三町にまたがって、総面積17000ヘクタールにわたる日本一大きい陸上自衛隊矢臼別演習場が広がる。かつて、ここ矢臼別一帯は、戦後食糧不足対策として、開拓がはじまりパイロットファーム計画の下、大勢の若者たちがやってきた。その中に、川瀬氾二、杉野芳雄がいた。1962年、突如、パイロットファーム計画は中止となり、陸上自衛隊の演習場計画が持ち上がり、村議会も受け入れてしまう。執拗な土地買収が始まるが、杉野、川瀬は踏みとどまる。『自分たちが切り拓いた土地だ。私はここにいたい』牧師、農民、労働者を中心に共闘組織が生まれ、《演習場はいらない》《川瀬、杉野の住む権利を守ろう》の思いを胸に、日本国憲法を駆使して2人を支えたことによって演習場のど真ん中に2か所の民有地が未だに厳然と存在し、二人が亡くなった後も二軒の民家に3人が暮らしている。道路が通じ、手紙が配達され、荷物が届く。冬の除雪も保証され、電気も電話も通じ、3人は全国とつながっている。
50年以上続いている夏の『平和盆おどり』、暮れの『平和もちつき・望年会』、自衛隊の監視活動、1995年から始まったアメリカ海兵隊移転訓練の監視活動などを全国へ発信し、それに応え各地から大勢の人がやってくる。人々と交流する中で、エネルギーをもらい、それぞれの場へと帰って行く。
ナレーション 余 貴美子
監督 山本 洋子
企画・製作 山本 駿 山本 洋子
プロデューサー 桑山 和之
撮影 野間 健 編集 小林 由加子 整音 深田 晃 版画 穂積 肇
挿入歌 ・ 作詞作曲 菊池 晢史「矢臼別にきたのなら」「矢臼別のうた」「かがり火のうた」
「矢臼別物語」製作支援の会 畑田 重夫 三宅 信一 吉野 宣和
特別協力 日本平和委員会
映像・資料提供 日本電波ニュース社 / 法学館憲法研究所/矢臼別平和資料館 / 三宅 信一
録音スタジオ シネマサウンドワークス
撮影協力 NPO法人スワンの家
チラシ・Webデザイン スタジオ ほもり
制作・著作©️ 独立プロ名画保存会
『矢臼別物語 公式HP